反論 (水質浄化分野)

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なし 反論 (水質浄化分野)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/2/23 19:12 | 最終変更
go  管理人   投稿数: 125
日経サイエンス誌2012年10月号特集「マイクロバイオーム/細菌に満ちた私」では、
  人体に共生する微生物数は人体細胞数の10倍もあり、それぞれが人体各所の健康を助けてくれている。
  例えば腸内細菌は食物から栄養への分解や、生命維持に不可欠な酵素を生成したり、
  病原菌やウイルスなどを殺菌したり、免疫機能の向上を担ってくれている、
などを明らかにしてくれた。

農業においてのマイクロバイオーム(土壌微生物叢)では、作物の健全な成長を助けてくれるし、
海や河川湖沼水系では、水辺・水中・川底海底の植物根に形成するマイクロバイオームとの共生によって
環境浄化力を保つことがことができる。

はじめに ( 反論の要旨 )

EMは、農業分野においては、病害虫の抑制、品質の向上、有機資源循環等に貢献しており、
水系分野においても、悪化した水系の水質改善やヘドロ減少を実現し、環境回復と水産業等に貢献してきた。

しかし、全国の環境保健センターは、
  ・EMによる汚染された水質回復成功事例の実態を全く調査することもせず、
  ・水質浄化の原動力となる水生植物とマイクロバイオームとの共生による浄化メカニズムも理解せず、
  ・EMの核心となる働きを引き出せない「稚拙と思われる実験」によって「EMに効果なし」と
   一方的に結論するなど、EMによるボランティアな環境浄化活動を阻止しようとしている。

さて、『 不存在の証明 』 という概念がある、 この意味は、「あり得ない」とか 「存在しない」ということを科学的に証明することは、
不可能である(極めて困難である)
という意味である。 つまり、
環境保健センターが、いくら実証実験を行おうが、尤もらしい水質データを揃えようが、
EMによる水質浄化の成功事例が現実に存在する限り、「EMの効果はない」ことの証明にはならない、
ってことなのである。 言い換えれば、
環境保健センターの実証実験では、「EMの効果を出せなかった」 と言うのが正しい結論なのである。

なお、保健センターの実証実験による「EMに効果なし」の結論には、次の観点で反論したい。
  ① 水質浄化に成功している事例は、日本や世界には幾らでも存在すること
  ② 微生物による水質浄化メカニズムを理解せず、EM利用技術も知らない者たちによる実験であること
  ③ 実験方法と評価方法が根本から間違っていること
  ④ 環境保健センターには、微生物を使っての汚染水質の回復やヘドロ減少を実現する考えがないこと
  ⑤「EMに効果なし」と発表するで、EMによる水質浄化活動を牽制していること

このことを、いくつかの環境保健センター報告書について、具体的詳細に反論していきたい。

1。 岡山県環境保健センターの実証実験について       以下、年報から引用:
1.1 1995年 フラスコ実験について        報告書 p33-引用:
 ・フラスコ実験ではEMに効果があるかどうかの判断はできないことを悟ったようだが、
 ・この教訓が、次年度の実験で全く生かされていないのは、とても残念である。

1.2 1996年 汚濁湖沼水浄化の研究について      報告書 p54-引用: 
(1) 実験の目的と評価指標に関して
 ・「閉鎖性水域の富栄養を防ぐ意味からもEM菌による窒素、リンの除去効果の確認は必須である」 について。
  この実験目的と実験方法では、EMを正しく評価できない、と考える。
   ・EMに含まれる微生物の菌体は有機物なので、閉鎖空間ではEM投入によって窒素やリンは増える。
   ・水中の窒素やリンは、植物や植物プランクトン等によって吸収されて低減するものであり、
    窒素は、ある種のバクテリアによって一部気化するが、リンは気化しない。
   ・EMは、窒素やリンを消滅させる化学薬剤でも魔法の液体でもない。

  EMを正しく評価するには、自然環境を模した実験装置で行なわねばならない。
   (自然環境を模すとは、土砂底、石、護岸、植物、流木、水流など微生物叢が定着でき環境のこと)
  EMは、自然界に存在する微生物と共生することによって自然環境の浄化を促進する。
  自然環境を模した実験装置ではEMの効果を直接測ることが出来ない、との難点はあろうが、
  EMによる効果を出しやすくするための実験方法を考えねばならない。
     ・EM投入前に、水質の「安定した汚れ」を測定・観察しておく
      (植物が元気でない方がいい、元気だとNとPが吸収されてしまう)
     ・EMを投入して水質の変化だけでなく、生態の変化も測観察すべきである。
     ・なお、水中のアンモニウムや亜硝酸塩なども測定することで、微生物の多様な働きが見えてくる。
  EMだけで自然界の汚染を除去することは不可能であり、EMは自然界が本来持っている
  自然浄化力(微生物・植物との共生)が活性化するスターターの役割をするものである。

  以下の別の実験や考察でも、このような微生物叢や生態系での浄化メカニズムの認識は見当たらない。

(2) 「障害植物プランクトンの増殖抑制効果」 「水槽実験における水質改善効果」について
  ともに、「EMによる効果は認められなかった」 と結論しているが、そんなことは決してない、
  その実験方法では「微生物叢が形成されていない」ことに原因がある。
  EMを「水質浄化薬剤」に仕立てあげ、水質だけの測定で効果はない、としているが、
  実験方法が根本的に誤っており、EM効果を知る目的での実験としては失敗なのである。

 ・参考まで卑近な例だが、私が熱帯魚水槽で「藻の発生を撲滅した事例」を紹介する ⇒ 引用:それは平成6年、私の自宅でのことである。
(装置) 120cm水槽で水草システム方式をめざして構築した。 水草システムとは、
  熱帯魚への酸素供給方法を、水槽にエアポンプで空気を送り込むことではなく、
  水草の光合成によって酸素を発生させるものであり、外部フィルター(ポンプ)と
  底面フィルターや砂底にバクテリアを定着させる「生物濾過方式」のことである。
(藻の発生) 水草と熱帯魚を入れて、稼動3か月ごろから水槽に藻が少しずつ発生しはじめた。
  藻は、次第に水草の葉や茎や砂底やガラス壁にまで広がってきて、取って取っても、
  砂を洗ってもすぐ増えてくる、水槽はカビ臭くなる始末で、まったくのお手上げ状態になった。
  ブラックモーリーやヤマトエビやプレコやコリドラスだって藻を食べてくれない。
(対策) あるとき熱帯魚屋でPSB(光合成細菌系)なる商品を見た歓んだ、
  光合成細菌なら家に「EM-1(当時は救世1号)」があったので、早速試してみた。
  ・EM1(1/3カップ)と糖蜜を水に溶いて入れた、水槽は茶色(EM・糖蜜の色)になった。
  ・5、6時間ほど経過した頃から水は白く濁りはじめ、ついには水草も見えないほど白濁した、
   よくみると熱帯魚が水面でパクパクしている、酸欠だ、慌ててブクで空気を送りこんだ。
  ・翌日には白濁がだいぶ取れ、ブクも不要となり、3日目には水槽の水は真っ透明になった。
  対策したのは、たったこの1回だけであった。
(結果)
  ・それ以降、何年もの間、藻は一度たりとも発生することはなかった。
   水は真っ透明、水草が生い茂り、熱帯魚たちも元気である。
  ・給水は水道水を直接入れても平気であり、水替えや砂洗いは皆無であった。
  ・ただ、底に沈着したゴミや壁面のくすみだけは、月1回ほど軽く除去する程度である。
 この状態のまま水槽は10年近くも問題なく稼動でき、「完璧な小宇宙」となっていたのである。
(成功のポイント)
 ・藻の発生は水質の悪化が原因であり、微生物による生物濾過機能が働いた
 ・EMは、有用微生物叢の形成への促すことができた。
(補足)
 ・熱帯魚水槽のエアレーション方式は、空気を強制的に送り込むものであり、
  水流をつくり、熱帯魚に酸素を供給するものだが、この欠点は、水質は悪くなり、藻が発生し、
  魚も病気にかかりやすく、頻繁に掃除が必要となり、熱帯魚飼育を断念する人は多い。
  水槽の有機物(枯草・糞・餌の残り)は、酸化分解されて綺麗になるハズである、
  という理屈は全く当てはまらない。
  このような水槽(他人)にEMを入れても、藻も水質も改善されなかったが、
  その理由は、水質を浄化する「微生物叢が形成されない」からである。
 ・熱帯魚の成功の秘訣は、微生物叢が形成できる構造と、EMを投入することに限る。
この私の成功事例から、環境保険センターの「EM実証実験の失敗」の原因を指摘してみたい。

  投入したEM液は科学薬品ではない、直接的に水質を改善したり藍藻・緑藻類の抑制はできない。
  水質を改善するには、微生物叢を形成できる場所水生植物が必要である。
  微生物叢を液体中に形成することは難しく、底の土砂や流木や石の回わりに形成しやすい。
  有機物は、微生物たちによって、アンモニウム ⇒ 亜硝酸塩 ⇒ 硝酸塩 ⇒ 窒素ガス類
  へと分解していく。
    (光合成細菌:光合成で糖を生成、アンモニア・硫化水素・有害物質を分解/嫌気性)
    (アンモニア酸化分解菌=亜硝酸生成菌ニトロソモナス/好気性)
    (亜硝酸酸化分解菌=硝酸生成菌ニトロバクタ、ニトロスピラ/好気性)
    (硝酸塩を分解する脱窒菌/嫌気性)
  この微生物たちの棲家(微生物叢)に水が静かに通過することで、硝化分解が進行する。
  藍藻類や緑藻類は、
    アンモニウムや亜硝酸塩があると発生し増殖する
    リン酸塩は最も好んで増殖する
    硝酸塩が多く(富栄養)ても繁殖する
  硝化バクリアたちは、毒性のあるアンモニアや亜硝酸を分解し、安全な硝酸塩を生成してくれる。
  水生植物は、硝酸塩やリン酸塩等を吸収して成長し、光合成によって水中に酸素を放出する。
  これが、水質浄化のメカニズムであり、藍藻・緑藻類の増殖抑制のメカニズムである。

  EMに含まれる微生物は、光合成細菌・乳酸菌・酵母等であり、上記の硝化バクテリアは含まれてないが、
  適量なEMを投入することで局所から微生物叢が形成され、自然界に常在する有用菌類や
  日和見菌類との共生が始まり、上記バクテリア菌たちが働きはじめるのである。
  EMの役割は、腐敗微生物叢を劣勢にし、有用微生物叢メカニズムの始動を助けるものである。
   
  私の成功と彼ら(岡山県環境保健センター実験者たち)の失敗の要因を比較考察する。
  《取組み時期と微生物情報》 ほぼ同じ時期である
    私 :1995年、「地球を救う大変革」とEM事例集的な書籍2冊ほど、
       EM実践経験なし。
    彼ら:1995~1996年、比嘉照夫セミナー講演要旨集、「環境革命」、他論文は多数、
       EM実践経験なし。
  《目的》 取り組みの目的が根本的に違う
    私 :熱帯魚と水草の元気な水槽、藻の発生の阻止。
    彼ら:EMの水質浄化能力の検証、実験が失敗でも構わない、実験の事実が目的であった
  《投入資源》
    私 :問題解決に要した費用は、EMと糖蜜の計200円程度
       藻の大発生に悩まされた期間は半年だが、水質浄化に費やした時間は4,5日だけ。
    彼ら:2年度にわたっての職員数名、実験に係わる諸経費(全て県税)
  《私の成功と彼らの失敗の重要で根本的な要因》
    私 :比嘉照夫「地球を救う大変革」に感銘、EMに環境解決への直感が働いた。
    彼ら:比嘉照夫とEMを疑い、EMの働きを信じる感性と想像力がなかった。
       既に国や全国の行政の間では、EMへの懐疑・批判が聞こえていた、
       微生物が環境を底支えしていることへの認識が浅く、その想像力も希薄であった。
       自然浄化力に頼るのではなく、科学技術の力を過信していた

 このような実験への姿勢は、以下の「水路での実験」「湖沼での実験」などに如実に表れている。
 彼らの実験の目的は、汚染水域の水質を改善するための実験・研究ではなく、
 EM効果をに表面的にでも)評価を下すがためのものであった。
 成功事例の(現地やリーダを含む)調査は全く行わなれなったことからも判断できよう。

(3) 「用水路における水質改善効果」について
   ・昔から水質を浄化する方法として「活性炭」を沈める方法がある、
    炭の無数の微孔に住みつく微生物によって水質を浄化するというものである。
    しかし、ほとんどが失敗している、炭全体がすぐにゴミや泥などの物理的物質で覆われて、
    しだいに微生物による浄化力は喪失するからである。
   ・「ボカシ袋」の投入だって同じことである。
    初めは浄化力はあったろうが、常時流れ込んでくる腐敗物質によって勢力が弱くなり、
    袋にはゴミなどによって目詰まりし、ボカシ有機物は腐敗する。
  これは、実験する前から分かっていたはずであり、この実験は明らかに失敗なのである。
  しかし、EMを「永久的な水質浄化薬剤」に仕立て上げ、実験の失敗の原因も追究せず、
  既に用意されている「EMの効果は認められない」を報告書にまとめたのである。
   
(4) 「小規模池による水質改善効果」について
   ・池の容積・水量や流入水量、およびEM投入量と回数が明確に示されていないが、
    適正に投入されない場合は、効果は現れにくい。
   ・本来、池をEM液だけで浄化するためには大量のEMが必要であるが、
    報告書には、EM活性液を作った形跡はなく、他所からもらってきた程度から判断して、
    投入量が少な過ぎると思われる。
   ・EM液体だけで効果を出すためには、
     ・良質のEM活性液を作るノウハウと手間が必要である
     ・新鮮なEM活性液を、池の汚れ具合や容量・流入量にあわせて頻繁に投入する。
     ・緩やかな水流もあった方がベターである、等々。
   ・EMが底の腐敗有機物を分解しはじめると浮遊物出ることがあるが、水質が悪くなったわけでなく、
    有機物の質が良い方向に変わったものである(腐敗有機物⇒分解有機物)

  しかし、報告書を見る限り、
     ・EM培養の形跡はないので、活用ノウハウをも知らないと思われる。
     ・効果を判断する基本的な生態系の変化は、全く観察されていない。
     ・劇的に変わらないから「効果なし」としたのは、自然相手では早計である。
  一般に、EMを家庭や菜園で活用して慣れている人でも、池や湖沼の水質浄化は簡単ではない、
  ましてや、EMの扱いに未熟な者による実験では、簡単に効果が出るとは思われない。
  「EMの効果は認められない」の表現は、正確には「効果は出せなかった」と訂正すべきである。

(5) 「中規模池実験における水質改効果」について
   「浚渫した後にEMボカシ袋を投入したところ、悪臭が消え、透明度が向上したが・・    
   この現象は浚渫の程度に依存している」
について
   EMの効果に否定的な見解になっているが、EMは悪臭対策にも利用されている、
      ・EMに含まれる有機酸が悪臭を即効的に中和し、悪臭が消える
      ・EM投入による微生物群により、腐敗有機物が分解される
      ・発酵型微生物叢が形成されると、腐敗菌類が果たらなくなる
    従って「池の悪臭が消えた」は、EMの効果もあったものと考えられる。
    (養殖池での成功事例の多くは、水を抜いた後のEMを散布して底質を改善している)
    しかし、実験者は、悪臭が消えたのは浚渫によるもので、EMの効果ではない、と結論づけたが、
    水質浄化の本質に少しでも迫っていれば、EMへの評価は変わった可能性があったと思われる。

(6) 「EM菌による水質改効果」について
   ・「すべての実験においてEM菌による著しい効果は認められなかった」 と結論づけているが、
    すでに述べたように、これらの全ての実験は、方法や観察が不十分によるものであり、
    「有効な効果は出せなかった」と修正しなければならない

   実験担当者(組織)には、
     ・EMの本質(微生物叢とその形成)の認識はまったくなく、
     ・EM培養技術もなく、EM活性液も作れず、
     ・EMを水質浄化薬剤とみなしているかような実験方法であった。
   このような認識の低さや活用技術のない者たちによる実証実験では正しい評価はできない、
   客観的な検証には、成功事例を調査し、偏見を抱かず、実証能力(正しい認識や技術など)が
   なければならないと考える。

(7) 考察の中に、EMの働きを示す重要な引用があった 引用:なお、「EM菌による汚濁湖沼の水質改善プロセスとしては、有用微生物群による生物相改善によって生態系が正常になり、湖沼内の栄養塩基類は細菌などに取りこまれ、食物連鎖を通して高次捕食者である魚類の生体成分となり、最終的には陸揚げなどによる系外に排出される」とされている。
    (出典元:比嘉照夫「EM環境革命」1994)
 これこそが、EMの自然生態系を蘇生する基本的な理念である。
 しかし、残念ながら、実験者たちには、このことは理解できなかった、全く気にもとめていなかったことが、
 全ての実験を再読して見ると、よ~く分かる。 例えば、

  池のリン酸塩は、どんな微生物でも除去(気化)することはできないものだが、
   それなのに、リン酸が減っていないのだから「EMの効果は無い」と短絡した、とんでもない!
   リン酸塩は、自然界では、
     ・大半は水性植物に肥料成分として吸収する
     ・植物プランクトンも喜んで栄養として吸収する
     ・そして植物プランクトンは、動物プランクトンへ、魚介類へと連鎖が進む
     ・なお、微量だが、あらゆる微生物の菌体形成にも取りこまれる。
   これが水質浄化のメカニズムである。
   しかし、植物への移行など連鎖系の観察や測定は全く行っていなかった。

  EMに含まれる微生物には、有機窒素を消し去る(気化)直接の機能はない。
    ・光合成細菌はCO2から糖を産生し、他の微生物たちにエサを供給する
    ・乳酸菌や酵母も、有機物を低分子へと発酵分解したり有機酸などを産生するだけである。
    ・微生物叢が形成されると、硝酸塩を分解して窒素を放出する微生物が増えてくる
    ・逆に、窒素を固定する微生物だって増えてくる
   従って、CODだけを追いかけて水質を測るだけでは水質浄化の現象は掴めない、
   生態系の変化の観察が不可欠なのである。
   (農業分野では、作物の成長性を多面的に計って微生物の効果を知ることができる)

  「物質循環が成立し、様々な生物間相互作用が存在する自然生態系である汚濁の
 進行した池沼においても、EM菌投入による著しい水質改善効果は認められなかった」

    と、もっともらしい修飾句が付けられているが、
    実験者たちは、「物質循環」や「生物間相互作用」など一切観察していないのである。
      例えば、悪臭が消えた、透明感がでてきた、アオコが消えた、エビや貝が増えたようだ、
      夏場に魚が浮かなくなった、草が増えてきたようだ・・・などなどである。
   このような変化は、EMの投入量と頻度にもよるが、1年3年と続けなければ分からない。
   彼らの実験は、初めっから自然を観察する気もなかった、と思われてならない。
    既に述べたように、EMの効果が分からなかった、実験方法が悪かった、
    観測期間が短くて十分な観測ができなかった、のである。

  EMによる水質浄化は、決して簡単にはいかない。
  EMの成功事例には、
     ・多くのボランティアたちが、各自で作ったEM活性液を貯めて持ち込んで皆で投入する、
     ・毎週または月に数回
     ・水質浄化の拠点となるEMダンゴ(微生物叢の拠点)も投入する
   このような活動の結果として、半年後か1年後3年後に表れる、経験も重要である。
 
   再三言うが、EMは水質浄化製剤ではない、
     自然界のもっとも底辺で活躍する微生物叢を改善するキッカケを作るものである。
     その微生物叢の変化を直接観察するか、さもなくば、
     環境や生態系などの変化を観察することでしか、EMの効果は確認できない。

  「EM菌を汚濁水域に投入することは、外来生物による既存の生態系への侵略である」 について、
  彼らの生態系を支える微生物叢の役割と認識が極めて乏しいことがハッキリした。
  微生物たちや生態系による水質浄化のメカニズムが全く分かっていないばかりか、
  想像や推測すら念頭にない様子までも伺われ、水系汚染の回復を根本から解決する方策など
  ないものと推察できよう。

 このような曲解や認識不足に対し、以下反論する。
   ・EMを構成する乳酸菌や酵母は、食品加工などに持ちられている安全なものであり、
    光合成細菌は自然界のどこにでもいる微生物である。
   ・EMは嫌気的な性格が強いので、環境が浄化され酸素が多くなると増殖が抑制され、
    健全な自然界ではメジャーになることはなく、自然界に蔓延することはありえない。
    なお、EMの菌体や死骸は、他の微生物たち等のエサになってしまう。
   ・EMによる水質浄化活動で投入するEMの量は、大海の1滴にも満たない量である。
   ・日本だけでなく世界中のEM活用の経験では、生態系を乱し悪さをしたという事実は1件もない。
   ・EMを投入すると、EMを構成する微生物だけが増殖するのではなく、
    自然界のさまざまな有用菌が目覚めて有用微生物叢に加わることで、多様な効果が出せる。
    EMはあくまでも水質浄化を担う微生物叢づくりのスターターに過ぎない。
   ・他国でEMを製造する場合は、種菌を日本から持ち込むことはせず、自国の作られた微生物を使っている

  参考までに、EMによる水質浄化成功事例を 紹介する
      比嘉照夫氏の投稿記事(甦れ!食と健康と地球環境) より引用:第10回 EMで国造りを目指すコロンビア(2) 09/06/23
     ・世界最高水準のエビ養殖/週最大600トンのEM活性液の投入能力ある設備      
第11回 グアテマラのEMによる都市汚染の浄化 09/07/15
       ・アマテトラン湖
第15回 EMで甦った東京の日本橋川(1) 09/10/15
     ・浄化されても、行政担当部署や報道機関は無視している現状
     ・日本橋保存会の行事の一環として平成18年からEM投入を開始
     (日本橋川の堀留橋付近にEM活性液培養装置を設置、週10トン投入)
     ・EMダンゴは区内の小中学校やボランティアが作って9年間で数十万個を投入
     ・結果は、開始数か月で悪臭は消え、ヘドロはかなり分解され、ゴカイやミミズが発生、
      1年後には大腸菌が1㏄30個以下となり、水泳可能な水質になり、多様な生態系が戻った。
第16回 EMで甦った東京の日本橋川(2) 09/11/10
     ・集中豪雨が起こっても悪臭は出なかった、生態系が安定に保たれている
     ・投入は日本橋川だが、満潮時の逆流により、神田川まできれいになった
     ・鮎が戻ってきた、
     ・潮流により東京湾岸がきれいになってきた(浜離宮・お台場・芝浦運河・羽田空港)
     ・広島市太田川の事例
     ・日本橋・神田川に清流をよみがえらせる会
        環境フォーラム「甦れ!日本橋川」
第17回 首都圏におけるEMの水質浄化活動の意義 09/12/02
     ・大震災が起こった時、トイレ・風呂などの生活水にも使える
第18回 EMできれいで豊な海に甦った三河湾 09/12/24
     ・事例 よみがえる三河湾(その1)  (その2 矢作川)
第19回 EMによる漁業振興(1) 10/01/13
     ・三重県志摩市英虞湾の事例 真珠組合の取り組み
     ・大阪市漁業協同組合の取り組み 淀川シジミの復活(3年で5倍以上の漁獲量)
第20回 EMによる漁業振興(2) 10/02/03
     ・全国アサリ収穫量調査/EMによる浄化活動地区は右上がりに伸びはじめている
第72回 7年目を迎えた日本橋川EM浄化プロジェクトの成果(1) 13/07/12
     ・環境評価基準はCからAに改善、遊覧船が周遊しあじめた
     ・日本橋川から投入したEMが、神田川・隅田川・古川・目黒川など東京湾沿岸がきれいになった
     ・多摩川のアユ遡上が年々増えてきている
     ・これまでのEM投入量の報告
第73回 7年目を迎えた日本橋川EM浄化プロジェクトの成果(2) 13/07/31
     ・喜ばしい異変が次々と現れてきた東京湾・・・アサリ、シジミが急増
     ・多摩川河口・京浜運河の生物調査 2013.5.25
     ・EMによる効果を、当局も報道機関もEMによる効果だとは認めない悲しい性である
第86回 水産養殖におけるEMの活用(1) 14/09/05
     ・世界のエビ養殖のウイルス対策に活用されているEM技術
第87回 水産養殖におけるEMの活用(2) 14/10/01
     ・海ガニの養殖におけるEMの活用事例

1.3  (参考)「EMによる学校でのプール清掃の実態調査」
 これは、Lions Club国際協会(336-B地区)が鳥取および岡山を対象にしたアンケート調査(2009年)結果
 である。 http://www.lc336b.org/em/em_questionnaire.pdf

 ・EMによるプール清掃を実施した小中学校の凡そ95%が「良い」「やや良い」と答えている。
 ・岡山県でも学校への普及がかなり進んでいるが、全てボランティア活動である。
 ・生徒たちによるEMプール清掃には、環境学習としての意義もある。
    ・汚いプール水の素足での清掃は感心しない、より安全な水質に分解できること
    ・生徒たちがEMを米のとぎ汁で培養~投入~清掃は、環境浄化の体験とし最適であること
    ・生徒だけでなく父兄も地域も環境に関心を持つようになる
 ・岡山県環境保家センターにお願いしたいことがある。
    ・EM清掃の実施/未実施の清掃時の汚濁水の水質調査をし、大腸菌が激減していることを知って欲しい
    ・プール清掃排水は、EM化されているので、水系の汚染を回復する力があることを知って欲しい
    ・この排水に関しては、「塩素剤を投入することを義務化」しないよう要望したい
       ・塩素剤は、水系の微生物を殺し、自然回復力を弱めます、
       ・下水処理場に流れ込む場合は、処理の負荷を軽減します。

2。 2003年 広島県「EM菌推進しません」 と発表    引用:
この報道の元となる報告書は、広島県保健環境センターのサイトで見つけれなかったが、要点は入手できた。

 ① 広島県の実験は、1996年岡山県環境保健センターと同じ視点の水質重視である。
   (評価項目:ph,BOD,COD,窒素濃度,リン酸濃度,藻類増殖抑制効果,底質改善効果,低質改善効果)
 ② 「汚れを示す生物化学的酸素要求量(BOD)や化学的酸素要求量(COD)の数値が上昇し、
      国の環境基準を上回ったまま、戻らないケースもあった。」
について、
  ・EMは微生物群(生命体=有機物)なので、水槽に投入したならBODやCODは上昇するのは当たり前である。
  ・投入後に徐々に減少したのは、少しは微生物が働いたのであろう。
  ・数値が試験前から下がらなかったのは、投入した微生物の生・と死骸も合わせて計測されるからである。

  ③ 「魚介類に悪影響を及ぼす窒素やリンの数値も上がり、赤潮を生むアオコの増殖も抑えられなかった」 について、
   すでに岡山県の実験に対する反論/コメントと同じ事になるが、改めて反論したい。

   ・有機窒素やリン酸塩は、植物プランクトンや水生植物の肥料成分なことは誰でも知っていることである。、
    これによって動物性プランクトン・エビや貝類・小魚などの生態系ができあがり、
    また、植物は光合成によって水中に酸素を放出し、水系の善循環が維持されるのである。
   ・富栄養は必ずしもアオコ発生に直結するものではない、アオコが好むのは、
      ・有機物が分解して生成する(有害の)アンモニウム)や、
      ・アンモニウムが分解して生成する(有害)の亜硝酸であり、 
    これらは(EMに含まれない)自然界の微生物たちによって分解・生成される。
   ・微生物叢が豊かなら、亜硝酸塩は硝酸塩(無害・植物栄養成分)に分解され、一部は気化する。
    リンは気化しないので、閉鎖系では絶対量は減ることはない。
   ・EMは環境を浄化する微生物叢の働きを引き起こすキッカケとなるものである、
    EMに仕事をさせることのない実験ではEMの効果はわからないのである。
   ・広島県の実験での、水槽に単にEM液を投入すれば、
      ・その分だけ有機窒素やリン酸が増えるのは当たり前である
       窒素は一部気化する可能性はあるが、リン酸は減ることはない。
   ・実験者たちは「木を見て森を見ず」と指摘したい、
    (木とは)実験室や測定器で囲まれて「お得意の水質分析」に頼るだけの判断であり、、
    (森とは)自然界の生物循環系(微生物・産生物質・水生植物・・・)の自然浄化力のことである。
    EMによる水質浄化の効果は、実験室では確かめることは難しく、大自然の中で技術が確立した。
    大自然(生態系)を模すことのない実験室での実験ではEMの本質を評価することはできない。

    水槽実験でも、私の熱帯魚水槽の事例のように、本気になって取り掛かれば
    「EMで植物プラントンの発生の抑制を実現できる」のである。

参考までに、微生物による水質浄化メカニズムに関して、環境保健センターとEMとでは認識が違う、
 【環境保健センターの認識】
     浄化する微生物は好気性・酸化発酵分解菌である、
     水中に酸素が豊富なら有機物を分解し、酸素不足なら分解できず水系淀みに沈殿し、
     そして川底・海底付近は更に酸素不足で有機物はヘドロ化し堆積が進む。(お手上げ状態)
 【EM投入】
     浄化する微生物は嫌気性・有用発酵分解菌類なので酸素が薄い処で働きはじめる。
     有機物は乳酸菌や酵母によって低分子に分解され、有害物質は光合成細菌が分解する。
     EM微生物群が産生した物質は、常在菌のエサとなり、有用微生物叢が形成され、
     多くの微生物たちの共生・共同によってへドロの分解が進む

EMによる水質浄化活動は、環境保健センターの尻拭いをしていことが一目瞭然であろう。

 ④ 「EM菌による浄化運動は、福山市や瀬戸田町など県内の約二十市町が取り組んでいる。
   条例で利用をうたう安芸津町の公衆衛生推進協議会は「EM菌を投入した海底では、
   ヘドロが確かに減っている」と、地元の運動に水を差す県の実験に反発」
について、
    ・広島県内の市民は、この実証実験の結果を「まるで評価していない」ということである、
     むしろ、成果が上がり始めている県内各所のボランティア活動を否定するどころか、
     市民住民の水質を浄化したい想いと熱意を逆なでし、行政不信を助長することになっている。

 ⑤ 環境保健センターには、汚染された水系を、誰が回復するのか、の認識がまるでない、
   まるで他人事である、誰がヘドロを除去するのでしょうか?!
   環境に目覚めた市民・住民や漁業関係者などの協力をえなければならないのではなかと考えます。

3。 2009年 福島県が「EM菌投入は河川の汚濁源」と発表   引用:
「実証実験を行った」としているが、手元にある資料によると、
  ・EMの培養液そのものの水質(BOD,COD,T-N,T-P)を測定し、
  ・下水道や浄化槽から放水する環境基準とを単に比較した
だけのものである。つまり、
EMの水質浄化の働きを調べる意図は初めからなく、すでに用意した結論「 EMは汚濁源である 」を
まとめただけのものであった。引用:有機物濃度を示す生物化学的酸素要求量(BOD)と化学的酸素要求量(COD)が、
合併浄化槽の放流水の環境基準の約200倍から600倍だった
  ・EMは生きた微生物であり、その菌体は有機物そのものなので、BOD,COD等は高いのは当然である。
  ・EMを「水質回復のための微生物資材である」という重要な点には一切ふれず、
   最初から、汚物とし見なす姿勢には、悪意すら感じられよう。

 この理不尽な論法をそのまま借りるとするなら、例えば、
  ・医者が処方する薬は(病気に効くものだが)身体に毒なので飲んではいけない、
   塩素剤は(排水の大腸菌などを殺菌するものだが)人の健康や環境を害するので使ってはならない、
 ということがまかり通ることになる。

 さて、報道にある上記講習会の資料には「微生物資材の水環境中での利用に関するQ&A」があった。要点引用:Q1)河川や湖沼において、微生物はどんな役割をはたしているのか?
 A1)微生物は有機物を分解する(水質を浄化する)という大きな役割を担っています」
Q2)有機物の分解に係わった微生物はどのようになるか?
 A2)食物連鎖の説明のあと)微生物の死骸などで構成される汚泥やガスが発生する
Q3)河川や湖沼の水質浄化をするためにはどうすればよいか?
 A3)人為的な汚濁である有機物や窒素、リンなどの栄養塩をできるだけ流入させないことです
Q4)微生物資材には水質浄化に有用な微生物がふくまれているのに、
  なぜ河川などに投入してはいけないのか?
 A4)微生物による培養液には高濃度の有機物が含まれているから
Q5)河川などの投入した微生物資材はどのようになるか?
 A5)汚泥として蓄積する
Q6)微生物資材は、環境保全に使用してはいけないのか?
 A6)微生物資材に期待されている効能がマイナスに働かないような使用法に限定して
   利用することが必要である。
   河川や湖沼に投入することは、水質汚濁につながるおそれが高いので慎むべきです。
 要約すると、
EMは有機物であり汚泥として堆積するので河川への投入は慎むべきである、
と、講習会の参加者を誘導していたのであった。

これに対して反論する。

 ① 河川汚染が進行し河口などにヘドロが堆積する要因
   ・社会の発展に伴う商工業事業所や浄化槽などから処理排水が多くなってきたものだが、
    これらの排水には、水質汚濁法による環境基準の遵守を徹底しているはずであるが、
    個々の排水に含まれる栄養塩は少量でも、河川に合流すれば膨大な量になること。
   ・他にも、農業排水や生活雑雑排水なども汚染の要因になっている。
   ・また、ダムや堰堤などの取水によって従来の河川水量が寸断または減少し、
    更にコンクリート護岸の比率が大きくなれば生態系が貧弱になること。
   ・また、事業所での処理水に混入が義務付けられている塩素剤の河川での総量は、
    水系の自然浄化能力を低下させ、更に塩素イオンによる環境悪化に繋がっている。

  EM投入量は、河川流量に比べて大海の一滴程度であり、
  投入によって河川汚濁が増加する、とする環境保健センターのシナリオは説得力に欠けよう。
  なぜなら、EM投入以前から、すでに水質汚染やヘドロ堆積が進んでおり、
  水辺環境や漁業などの悪影響を及ぼしはじめている現実を認識しているのである。

  EM投入による河川浄化活動は、既に顕在化した汚染を軽減しようとする為のものであり、
  日本各地や世界に多くの成功事例があり公開されている。
  この情報は、環境保健センターはすでに入手しているはずである。
  しかし、環境保健センターは、直面する汚染問題に真っ向から取り組もうともせず、
  汚染の責任や対策をウヤムヤにしようする姿勢すら感じられるのは嘆かわしい限りである。

 ② 環境保健センターが理解している水質浄化メカニズムに関して
  ・「水系に流れ込む有機物は、微生物によって分解されで水質は浄化される」ことは正しい。
  ・ただ、この微生物は好気性の酸化発酵分解菌なので、水中の酸素を消費するものであり、
   有機物の総量が多くなると、水中の酸素は消費されて希薄になり、ついには、
   有機物は処理しきれなくなって、未分解有機物はヘドロとして堆積していくのである。
  ・QA(2)の「ヘドロは投入微生物の死骸である」は限りなくウソに近い、
   EMを汚濁源に誘導するための恣意的作文であると思われる。

 ③ EMによる水質浄化メカニズムについて
  ・EMは、嫌気性・有用発酵分解菌群なので、酸素が薄い状態で活発に働きはじめる。
  ・乳酸菌は、多糖類などを発酵分解し、それが他の微生物のエサとなり、乳酸は病原菌の増殖を抑える。
  ・酵母は、タンパク質などの有機物をアミノ酸などの低分子に発酵分解したり、
   生理活性物質を産生して、他の微生物たちとの共生を促進する。
  ・光合成細菌は、腐敗菌が出すアンモニアや硫化水素などの有害物質を分解して光合成エネルギーを得る。
  ・このように、EMを構成する微生物群が産生した物質は常在菌のエサとなり、
   EMの仲間としての有用微生物叢が形成しはじめる。
  ・そして、次第に自然界の常在菌が集まり増殖することによって、EMに含まれていない乳酸発酵菌や
   酵母類や光合成細菌類や更に多様で多くのバクテリアたちの微生物叢が大きく形成される。
  ・この微生物叢の大元となるエサはヘドロ(腐敗有機物)である。

  これが、EMによる汚染された水質やヘドロを分解辞去する「水質浄化メカニズム」である。

 EMは「 汚染源(ヘドロ)を浄化源(有用なエサと有用菌叢)に変える働きをする」ものである。

 「EMは汚濁源である」なんて トンデモナイ!

 ④ 水質浄化成功事例をもっと詳しく調べるべきである
  環境保健センターたる組織が、このような間違いを犯し、公的機関の信用や品格を落とす原因は、
   ・EMによる成功事例を全く調査をしなかったこと
   ・河川の水質管理の権限は環境保健センターにあるという過剰な自意識によること、
   ・他県の環境保健センターのEM批判に軽薄なまでに便乗したこと、などが推察されよう。

もはや、堆積するヘドロを解決するためには、環境保健センターには
「ヘドロを除去する考えもノウハウも施策すらない」ってことを、
真摯に直視すべきではなかろうか。
ヘドロ対策は急務である、環境保健センターの意識を転換すべき時であろうと考えたい。

  
 なお、EMで甦った東京の日本橋川(1)およびEMで甦った東京の日本橋川(2)をご覧いただきたい、
  ・EM活性液の投入場所は一カ所である、たかだか最大週10トンの投入だが、
   東京湾の潮流に乗って、上流の神田川、東京湾沿岸(多摩川河口域~隅田川河口域)の水質が
   浄化されたのである、そして徐々に湾内に広がってきているのである。
   この地域の沿岸には、首都中枢の膨大の量の処理排水が流れ込んできているにもかかわらず、である。
  ・汚濁防止法では、平均日量50トンの排水に対して適用されるものであるが、
   日本橋川では、その規制量の遥かに少ないMAX週5トンである、
   誰も汚濁法や基準値云々を騒ぐものはいない、もはや騒ぐどことか、歓迎なのであり、
   水路周辺の商業や観光などが復活しはじまってきた。

さて、福島県でいま最も深刻な問題は放射能汚染であろう。
しかし、今の政府方針による放射能汚染対策では、これから100年は汚染は回復できない。例えば、
大雨などによって除染対象外の山林原野や除染基準外の平地等から流れ出す放射能は河川に流れ込み、
沿岸漁業産品や農畜産物や水道水などに紛れ、微量でも人体蓄積による内部被ばくの懸念が消えないばかりか、
行政や県民が本気になって放射能汚染に対決する姿勢が見えない限り、決して風評は消えないと思われる。

ところが、EMは放射能染対策に有効である事例が福島から次々と報告されているのは朗報である、
つまり、EMによる河川浄化活動は、水質浄化だけでなく、
そのままの活動で放射能対策にもなっている、ってことである。
EMを流し続けていくと、ヘドロに含まれる放射能が低減する、ということである
 (詳しくは「反論(放射能汚染分野)」を参照されたい)

県・保健センターは、県民の健康を守ることが最大の使命であるはずである、
EMへの疑念は払拭できないだろうが、ぜひ可能性を信じていただき、市民との協働を切に願っています。

4。 EMを使う河川浄化に「研究者が待った」  (朝日新聞)
引用:
引用:「三重県四日市の環境部によると、
浄化は、EM活性液のほか、液体に米ぬかやでんぷんを混ぜた団子を川に入れる方法。
上下水道局、環境部ともに、一定の効果が出ていると認め、他の川にも広がっている。
 そのとおりである、例えば三重県英虞湾における水質浄化実験(平成15年度~平成17年度)の考察によると、
EMの評価は次のとおり。
  ・アマモなどの海草藻類調査等においては実験区では経年で藻場分布の拡大が見られたが、
   対照区では顕著な拡大は確認されなかった。
  ・底質については、実験区において、腐敗・還元性・悪臭の指標であるAVS(神明地区)
   及び汚濁指標であるCODに減少傾向が確認された。
   なお、対照区等においてはその傾向が確認されなかった
   更に 地域漁業者に対する聞き取り調査においても「マモが増えた」 「悪臭がなくなった」
   などの回答があり、底質改善への一定の効果があると推定されている。
  ・「なお、実験の全期間を通して、底質、藻類等に対し、投入微生物により悪影響を与えるような
   事象は確認されていない。」と報告にはあった。
 三重県は、EMに対して、一定の評価をしているのである。 

しかし、引用:四日市大学の松永勝彦教授(環境化学)が警鐘を鳴らす。同教授によると、
  EM団子にはリンが約2%、窒素が約7%それぞれ含まれる。
  ヘドロの分解効果はあるものの、EM団子の分解でリン・窒素濃度が高くなった水や未分解の団子が
  海に流れ込む恐れがあると言い、
  「リン、窒素は伊勢湾での赤潮発生の原因になる」と指摘する。
  ・この先生は、広島県や福島県の間違った実験と軽薄な判断を「そのまま鵜呑みにしている」
   と思われてならない。
  ・EMダンゴについては「ヘドロの分解効果ある」と正直に認めているではないか。
   EMダンゴは、それに含まれるEMによってヘドロの分解がはじまり、常在菌と共生して
   ヘドロ分解が広がっていき、藻が再生しはじまって富栄養状態が改善される環境回復資材である。
 なお、この先生は、微生物群による水質浄化メカニズムをほとんど知らない、とは思えるが、
 善意に解釈すると、朝日新聞の記者の編集のしかた(途中を省くなど)によっては、
 EMへの懐疑心を煽る意図があったとも考えられよう。

5。 1997年 浄化槽の実験について   P42- 引用:
 《EMの投入の仕方について》
   ・投入したEMの量が足りなかったものと考えられる。
   ・EM活性液をなぜ20倍に希釈したのか解せない、対象が液体なので一般には原液を投入するものである。
   ・EMは生き物なので、初期始動が肝心である。
    量を殖やしたり、投入頻度を上げたりして様子を見る、悪臭が消えたら効いてきている証拠。
   ・その後はEMを浄化槽に定着させるに、最低でも週に1回は投入したいものである。
   ・定着したとしても、汚水分解能力の限度を超える可能性もあり得るので、月1回程度は投入したい。
 《EMの品質について》
   ・自農センターからもらった物、とあったので、EMはEM一次培養の活性液だと思われるが、
    活性液の品質も疑われる、つまり作製ご1~2週間以内に使い切らないと品質は劣化するものである。
    滅菌処理水で希釈したとしても、すぐに使わなけば劣化する。
 《曝気について》
   ・EMの有用発酵分解は嫌気状態で行われる。
   ・曝気(好気状態)では、EMが働かないだけでなく、好気性細菌が優勢となる。
   ・実験では嫌気槽があるので、ここでEMが働くことができそうであるが・・・。

 結論を言えば、この実験は失敗である、ということだ。
   ・EMの投入量が少な過ぎる(初期の投入量と頻度)
   ・悪臭が消えるまで投入量と頻度を上げるべきであった。

 主な成功事例を紹介しよう。 引用:沖縄県うるま市立図書館における浄化システム
  ・初期投入量は多いが、安定してからは3か月に1回
  ・間欠曝気5界(曝気総時間2時間/日)
  ・水質は良好、汚泥も減少
  ・処理水は中水として再利用(トイレ水洗、洗車、カーペット洗浄等)
千葉県ショッピングセンターサンモール
  ・悪臭が無くなった   ・汚泥が減少した

福井県三方上中群若狭町内の集落排水処理施設

  ・汚泥が60%減少
  ・排水先の川が確実に綺麗に回復した
岩手県北上市菊池氏事務所
  ・10年間汚泥が全くでない
  ・すべての槽で透明度が高い
  ・中水として再利用(トイレ水洗等)
  ・大腸菌は基準を大幅に下回る(塩素使用せず)
  ・排水は隣接する水田に利用
 成功事例は他にもあるが、岡山県環境保健センターの「実験は失敗である」ことが明らかである。

 しかし、彼らは、すでに成功事例とその概要を入手でき、調査もできたはずである、
 特に、沖縄県うるま市図書館の成功事例などを調査や参考した形跡は全く見えないことから、
 真剣に浄化槽実験EM効果を確認・検証する気は薄かったのではないかと思えてならない。
  ・このことは、稼動から1週間でEMが効いているかどうかの判断は出来るはずだが、
  ・更なるEM追加投入もしなかったし、原因を専門家に聞くこともしなかったし、
  ・その後500日近くも稼動し続けたのは、無駄骨であったと言わざるをえない。

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最後に、各都道府県の環境保健センターの皆さまにに要望したい

 ① EMによる水質浄化の事例は幾らでもあるので、ぜひ調査され、研究していただきたい。

 ② 既に汚染が進んだ河川や堆積ヘドロは、誰が解決すべきものなのか? 考えて対策していただきたい。

よろしくお願い申し上げます。

 

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